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代価に与えられしは…くちずけ一つ 2(日本の戦国の時代)

last update Last Updated: 2025-02-08 16:41:34

「大事な人質ゆえに、殺しはしません 」

「さあ、 早く」こっそり隠された貢ぎ物の剣を渡されて

うなづくと少女マリヤの手を取り逃げるが

 しかし 、すぐに気がつかれ 、追い手ともみ合いになる 。

少女に向かい叫び 「逃げるのじや!」(※逃げろ)

「早く!」 迷いながらも、少女は雪の中を走ってゆく

 少年は刀を振るい敵を足止めした。

 少年が持っていた貢ぎ物の剣が、包んでいた布からこぼれ落ち 

それを手に取った盗賊の一人はニヤリッと笑い 「凄いお宝じや!どれ試してみるか!」

剣を後ろから振る

そして 、刃が少年の身体を貫く少年の悲鳴!

とどめの一撃を振り落とそうとした、その時に

「若様!」舘から味方の武士達、形勢は逆転して 盗賊達は撃ち取られた!

赤い血が雪を染めて 、少年は 倒れていた。「若様!若様!」

暖かい部屋で布団に寝され、うっすらと目を開ける目を閉じればまた眠りに落ちそうだった。

隣の部屋から、ひそひそと話し声…

「今宵が峠・・」「出血が多すぎました 、それに内蔵に傷が…助かれば良いのですが」

深い傷を負った少年はぼんやり廻りを見渡す 

少女マリヤが少年を見て、ポタポタと涙を流す。 栗色の髪と青い瞳の少女

泣いてる顔も愛らしいが 

笑って微笑みを浮かべる顔が好きじゃな(※少女の笑顔が好きだ)

ぼんやり考える

だから、そう泣くでない

そう言いたかったが 言葉を発する力なく

ただ、微笑んで少女を見つめた。

少女は…そっと近くに、顔を寄せて、少年の頬に…そして、唇に軽く唇を重ねた。

ささやかに…互い気持を重ねている…代価に与えられしは……

くちずけが一つ 

雪の降る夜の出来事

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    その頃、婚ぎ先の花婿の国では「ああ!若様!若様ああ!」「若!!」「なんたる事だ! 若様が亡くなられた これから花嫁をお迎えするはずだったのに」「流行病さえなければ、なんたる事だ!」まわりの者たちが、若き未来の主の骸を、取り囲む嘆きと悲嘆の声そっと、離れた場所から、その若様の御付きの者が見つめている。若い武者、小姓、護衛の一人 年の頃は その若様と変わらない。よい顔立ちの美貌そして、影武者や毒見役も彼の仕事のひとつだった風格のある老人、彼が、じいや、一人の男に耳打ちをした。「あい(はい)、承知いたしました」「籐野 空也よ、そちがしばらくの間は、若様じゃ」目を赤く泣き腫らしながら一人の老人が言ったのだった。「!それは どうゆう事でございましょうや?」「養子に出した弟君が戻られるまでじゃ」「弟君は、子のない親戚筋にぜひにと頼まれたが、こうなったっては仕方の無い事だ」「なにがなんでも、戻っていただく」「!」「弟君が戻られたら そちは遠出の最中に馬から落ちて亡くなったことにするそして、代わりに弟君に、花嫁と再び婚姻していただく」「親戚筋の領主は、前々から、空也、そちを欲しがっておった。あのときは 断ったが…いや、であれば…ほとぼりがさめて、戻ってきてもよしあるいは、他の主を捜してやろう、それとも別に望みがあれば叶えてやろう」「そちには、無理を頼むが、よろしく頼むぞ 空也」一人の風格のある老人が声をかける、この国の主早くに息子を亡くし 今また孫を失ったのだ。目元には涙が浮かんでいる。「!・・しかし御前さま、殿さま、それよりも弟君の帰還をお待ちしてからのほうがよいのでは、ありませんか?」御前さまと呼ばれた男はおもむろに答える「空也よ、他に手だてがない、どうしてもこの同盟は必要なのじゃ」「わかりました、そのお役目承ります」籐野 空也は 頭(こうべ)をたれた。「一大事でございます!」誰かが 慌てふためき、飛び込んできた。ささっと、おつきの者たちをはじめ、まわりの者たちが、若君の遺体を隠す。「何事だ?どうしたというのだ?」「我々の同盟を心よく思わぬ者たちが、婚礼の花嫁一行を襲うと!たった今 密偵から知らせが参りました!」「なんと!」「空也よ、そちが行くのじゃ、影武者の若君として、なんとしても、姫君を守るのじゃ!」

  • 代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)   第40話 前世の恋…日本、戦国時代の姫 星に想い、願いを

    前世なんて ありうるの?まだ中学生の葉月(はずき)は思う「どうしようかな〜どうせ 恋の告白なんて ダメ、ダメだもん」学校の廊下 彼をそっと見つめてる 少女 風がふいて、窓から見える校庭の木々がゆれていた。彼女はまだ知らない、前世で叶わなかった恋を 今度は、この世界で それは日本の戦国の世裏切りと戦の時代 そして、欲しいものは、力で全てを奪い去る。そんな中、小国の姫である、まだうら若き乙女は思うこの時代、いえ、国の領主の娘の婚姻は  政治の道具であるのは 国の行く末を思えば、当然のことだけどでも、やはり、相手はどんな方か、気になるのは当然のこと多くの奥方がいる年寄りかも知れないし あるいは 乱暴で怖い人かも知れない 怖い恐ろしい人かも知れない。それとも、そう 物語に出てくるような素敵な殿方かもそっと、ため息をつく藤崎家の姫として…私は誰に嫁ぐことになるのかしら? 「綾姫」呼ばれて、彼女は振り返る 「どうしたの?何かあった?」急ぎ呼ばれて、着物を整えてから 小走りに廊下を走り そして、皆が待つ、大広間へと向かう。「綾姫」「どうされたのですか?」「西にある、小国の領主の息子が花嫁を捜してる」「え?」「領主の息子の名は  前橋 延高(まえばしのぶたか)」「西の小国は、豊かで 強固な軍を持っている 大事なお役目ぞ」「私を?ですか?」「そうだ」何の感慨もなく、政治の駆け引きで、トントン拍子に話は進み 1月も立たぬ間に、婚礼の準備は整えられる「綾姫様、綺麗な着物ですわね」「・・・・」ぼんやりして、心はここにあらずの姫「そのように不安になられるのも、無理のないですが、綾姫?」「大丈夫でございますか?綾姫?」「え? あ、大丈夫」  そうね、大丈夫  聞いた評判は、そう悪くはなかったのですし 心配はいらないわね…。 そう、きっと大丈夫心の中で、言い聞かせるように、まだ少女の姫君は思う。「姫さま…」そっと障子の向こう側を見る…夕刻が過ぎて、夜の闇に染まり 今度は 夜の星達が輝いている。去年の七夕のときに、祈ったことを思い出す よき人と巡りあえますように…。 そののちの事…。旅立ちの日、輿(こし)に揺られて、輿から覗き見て 後ろを見つめる 遠ざかる生まれ育った城が小さく見える。先程

  • 代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)   第39話 時の魔法と琥珀色の酒

    大事な恋を失い そして仕事を失敗して、今では、琥珀色の酒におぼれて、人生を踏み間違えた男路地で寝ていると 男が一人、立つていた。「ん? なんだね、アンタ」「時間の魔法をかけようか 過去に戻って 人生をやり直してみないかね…代価は、そう、手に持っいる琥珀色の酒瓶1つ」男は笑う一瞬、姿が変わり、男の姿は魔法使いのローブ姿にも見えた「なんだい? まったく夢のような話だが そんな話はある訳がない、お前さんも酔っているんだね」「さて それはどうかな?」男は笑う「以前、小川で溺れかけた白いネコを助けただろう? あれは大事な友達のネコなんだ」「それ、はじめようか?」「あん?」「やり直すがいい、過去に戻り、自分の人生を!」男がそう言うと、何かの呪文を唱え、男は足元に現れた、魔法陣の光に包まれる。ぐるり、何かが酔いどれの男の周りを回転する いや、回転してるのは男自身かも知れない気がつくと雪の舞う街の中 いや、ここは 昔住んでいた街、今、現在の街じゃない自分の服も立派なスーツ姿だった。するりと一人の少女が彼の腕を捕らえて笑う「あ…アンナ?」 「どうしたのヨーゼフ」「結婚式の予約に行かないの?早く行きましょうよ」あるはずのはない、夢を見ている、これは過去の時間  失ったしまった恋の相手ある日 姿を消してしまった、私の愛しいアンナが其処にいた。風に乗って、誰かの声、囁く声過去の失敗の原因は分かっているだろう?間違えなければ、幸福な人生だ。大丈夫だ。

  • 代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)   第38話 1つの家族の嘆きと哀しみ…ユダヤ人の妻…ベルリンの壁

    大きな壁が一つ… 鉄条網にとり囲まれている。壁、父親と幼い少女が壁を見つめ 少女は涙を浮かべて一言「ママ」と呟くそう、第二次大戦が終結してドイツ この国は二つに分けられた 引き裂かれた故国麗しい広場だった場所…広場幼い少女は父親の大きな手を握りしめる 「ママは壁の向こうにいるの?」父親は帽子を直してから、淋しそうにうなずく「兄ちゃんも…?」ため息が一つこぼれる。 美しく豊かな国 先のもう一つの戦いに 大恐慌に…人々の心は荒れ果てナチの台頭、大虐殺… 長い戦争新婚時代を過ごした 美しいドレスデンの街は粉々に…子供の頃に訪れた 華やかで麗しいパリの街は 今はどうなったか人々は、未だに戦いの傷痕に 苦しんでいる。傷痕だけでなく 時に明日のパンも無事に手に出来るか ユダヤ人の妻ゆえに愛する妻や子供らと 各地を転々として…隠れように過ごした日子供の頃の 懐かしい友人たち 三人の友人は、今はどうなったか? 懐かしき、青春の日々ユダヤ人の友人は?彼は生き延びたのか?そして…今度はナチに協力した として、連れて行かれたドイツの幼馴染みの友人は?彼はどうなった?同じく学園で過ごした 留学生のアメリカ育ちの日系人… 伝え聞いた話だと 本国に帰還後 彼は軍に入り激戦地に…学者か教師になりたいと 言ってた彼は、何故、軍に?そして どちらの国の?どちらも彼の故郷だというに楽しかった学園の寮での 生活彼らは無事か?牢獄に繋がれる事など、幸いなかったものの明日の行く末など わからぬ身の上愛しい家族とは引き裂かれ ここは…壁の中愛しい人は壁の向こうに向こうから大きな銃声が響き渡る 壁から、逃れようとした 人々が、警備の兵士に撃ち殺される話など よくある話だ…幼い娘は、銃声におびえ、父親にしがみつく「大丈夫だよ」  彼ら親子は 何処かに立ち去り 長い月日 壁が壊される日まで鉄のカーテンと呼ばれる ベルリンの壁は在りつづけた 彼は、 ユダヤ人である妻の優しげな笑顔を思い出す…歴史は幾重にも繰り返す人は嘆きを繰り返しながら 希望を探すそれは 此処以外でも・・ どこでも 起こりうるのだから

  • 代価に与えられしは…くちずけ一つ(即興…短編集)   第37話 七夕祭りの約束

    夜の祭り、七夕祭りの夜に貴方は 恥ずかしそうに、はにかむように笑っていたんだ。七夕の竹に綺麗に飾りつけた色の鮮やかな短冊達が穏やかな夜風、夜の風にそよめき…揺れいた。その時には、更々と重なり合う音が鳴っていた。「また…来年も会えるといいな…」「明日からは就職で東京に行くのよね」浴衣姿の貴方は言葉を紡ぐ。「東京に会いに行きたいねでも、ごめんね、入院中の母さんの世話があるから」「分かっている、きっと必ずメールするね」「うん、約束」「この前、学校の先生に教わったネット電話スカイプだったけ、スカイプ、あれをやってみょうか?どうだい?」「スカイプね、ネット電話のやり方がまだ上手く出来ないわ」「大丈夫、お互いに無事に設定が出来たら、沢山、話せそうだよ、大丈夫だから」「うん」彼女は笑う…それは楽しそうに「向こうの…都会の東京の話を沢山ね、聞きたいわ」「沢山ね…沢山、きっと話すよ」僕は笑う「また来年…新年は僕は、きっとね、仕事の関係で戻って来れないから」「来年の夏に夏祭りに、この七夕祭りに…また」「ええ」彼女は笑う…。そして、ほんのりと浮かぶ彼女の瞳の涙 とても、とても綺麗な涙だった。淡い恋、それが僕たちの恋の約束

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